Sea City

ヴァルダラシュ。
地平線の向こうに蜃気楼のように浮かびあがる異形の街。
月が海面を漂う夜光虫を照らし出すころ、忽然とその姿を海上に現す。
世界各地で多数の目撃情報が報告されるも、その街に辿り着けた者は極僅かしかおらず、
ライナス・ハリバ氏の日記と彼の持ち帰った写真、仮面剥製手紙などにより、謎で
あった街の一端が明らかになった。天空を見上げるほどに巨大なその塊は、ロマネスク様式の
建築物や、大きなガラスのドーム劇場、一角獣の銅像などが、密集し、積み上がり巨大な塔の様相を呈している。
人々はヴァルダラシュのことを畏怖の念を込めて呼ぶ。『海のバベル』と。

海に浮かぶ街 / Sea City

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