1920年代、禁酒法時代のアメリカ、シカゴに存在していたと噂される吸血鬼レンゾ・ルビン。
アル・カポネの庇護のもと、素性を隠しマフィアの一員として暗躍、
かの聖ヴァレンタイン・デイの虐殺事件にも関わっていたと云われている。
眉目秀麗、頭の回転も速く、冷酷無比。仲間や敵対するマフィアからは童顔の殺し屋として恐れられ、裏では誰に知られることなく夜な夜な人間の生血を啜っていた。
当時の新聞に、血を抜かれ干上がった遺体が発見されるという奇妙な事件記事が何十件と残されているが、どれ一つとして解決には至っていない。
おそらく、その全てにルビンが関わっていたものと考えられている。
1932年、カポネがアルカトラス刑務所に収容されたと同時期に忽然と姿を消し、
その後、彼の姿を見たものは誰もいない。

『レンゾ・ルビンの箱』は、ルビンが常日頃から携帯していたと云われているもので、
三つの試験管にはそれぞれ異なる人間の血とアルコールを混ぜたものが保存されている。
おそらく生き血の手に入らない緊急時に、
レビンが試験管内の血を飲み命を繋いだのではないかと思われる。
試験管のラベル文字はルビンが記したものと云われ、
性別、年齢、血液型、目の色がそれぞれに記されていて、彼の血液へのこだわりが強く感じられる。

レンゾ・ルビンの箱 / Renzo Rubin's Box
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