心音


本当の事は、

誰かが知っている

例えば空に透き通る虹の出口

時の廃墟に焼き付いた人々の思い出

記憶の断片にこびり付いてはなれない手垢

耳をつんざくノスタルジア

理由は知らなくても

私たちは感じとる事ができる

始まりと終わり…そして、その途中

何度も繰り返す言葉の亡霊たち

心臓に隷属した太鼓叩きの夢の跡

ゆっくりと手をのばしてたぐり寄せると

それは砂時計のように指の隙間をこぼれ落ちる

欲望のように

愛憎のように

運命のように

人生のように
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