地下室の街角


夜を開く地下室の街角

翡翠の義眼を嵌めた野兎の葬列

舌足らずの偽善者

陽にけぶる影が揺れる

命を透過した裸の資産

彼は草葉の陰で笑い

鋼の心で雨粒に濡れた欺瞞を燃やす

知っている

足跡に憂鬱な夢の続き

瞼の腫れに敵対した涙の犠牲は

消費者金融の黄変した街頭看板のように残酷で味気ない

どれだけのさよならを犠牲にしても辿り着けない

真実はいつも空っぽで

言葉は現れては消えてゆく

有象無象のサヨナラだ





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