

DMデザイン / 川島 朗
『魔女綺譚』
封印された箱に、魔女の記録が眠る。
星を読み、時を解き、記憶を改変し、存在の定義そのものに干渉した魔女たち。
その行為は歴史に刻まれることなく、ただ無名の物語として、空白の座標に沈んでいった。
物語と構造の境界にある静かな断片が、ひとつずつ、そこに在る。
集光レンズの奥で揺れる、二重写しの魔女。
肩越しには、量子星図の光がかすかにまたたいている。
書物の頁は風にめくられ、文字は砂のようにこぼれ落ちる。
声を失った魔女たちの気配。
触れられなかった記憶のかけら。
名前のない風景の断片。
手を伸ばしても届かず、それでも確かにそれはある。
見失われていた時の欠片が、いま、静かに輪郭を帯びてゆく。
・2025年名古屋の antique Salonに て開催した『魔女綺譚』の作品シリーズ。
架空の魔女たちをテーマに制作した物語とオブジェたち。
